TTSMaker はブラウザ上で動く無料のテキスト読み上げサービスで、貼り付けたテキストを試聴やダウンロードができる音声ファイルに変換します。入口は二つ、アカウント不要の ttsmaker.com の変換画面と、有料の文字数枠・複数話者の対話エディタ・API を備えた pro.ttsmaker.com の TTSMaker Pro です。
位置づけは音声スタジオではなく変換ツールです。テキストを入れれば MP3 か WAV が出るだけで、今回確認したページには編集タイムラインも音声クローンの入口もありません。提供元の紹介文はこれを、音声合成サービスを提供し複数言語に対応する無料のテキスト読み上げツールと説明し、サイトの FAQ は同じものを AI 音声ジェネレーターと呼びます。
同種の無料プランと分かれる点は二つです。まず無料版は試用期間ではありません。提供元はユーザーに恒久的な無料版を提供すると明言しつつ、今後関連ポリシーを調整する権利を留保しています。もう一つは商用利用の権利がアップグレードではなく無料出力に付いてくる点で、公開されているライセンスは生成された音声ファイルに対し非独占・取消不能・全世界・永続の利用許諾を与えます。
代償は反対側にあります。ファイルは数分で削除され、無料枠には CAPTCHA と広告が付きます。
カタログは 100 以上の言語にわたる 600 を超える AI 音声として宣伝されています。多くの紹介記事が落とす要点は、1 回の変換で扱える文字数の上限がアカウント単位ではなく音声単位で決まることです。音声一覧には Limit Per Conversion: 20000 characters の項目と Limit Per Conversion: 300 characters の項目が並び、音声を選ぶことが一度に流し込める分量を選ぶことになります。
ライブラリにはもう一段、unlimited と表示された層があります。無料枠を含むすべてのプランが 20 以上の unlimited 音声を掲げ、その出力は週あたりの文字数枠を消費しません。ただしこれは保証ではなく方針です。提供元は音声数、提供状況(音声の追加または削除)、合成速度を調整する権利を留保しています。
音声は MP3、OGG、AAC、OPUS、WAV で書き出せ、MP3 は標準と高音質の 2 段階です。高音質を選ぶと変換後の音声ファイルの容量は通常 2 倍になります。この価格帯では珍しい機能が二つあり、変換直後の音声に合わせたタイムコード付き字幕ファイルを書き出せること、ナレーションの下に BGM を敷けることです。BGM は無料版が最大 3 件、6 時間で失効し、有料プランは 20 件までです。試聴専用モードは先頭 50 文字だけを変換して声質を確認できます。
対話エディタは別機能で、複数の対話ブロックから会話を作ります。ブロックごとに言語と音声を指定でき、各ブロックのテキストを音声に変換したうえで全ブロックを一つの音声ファイルに結合します。無料枠は厳しめで、対話ブロックは最大 5 個、1 ブロック 200 文字、週あたり最大 5 件です。有料アカウントでは対話プロジェクト 300 件、1 プロジェクトあたり対話ブロック 100 個まで広がり、無料版には保存機能がありません。
編集で無音を足すより、本文中のポーズ記号のほうが確実です。記号はミリ秒単位で、API でも同じ仕組みが 0-10000 ms の範囲、既定値 0 のパラメータとして提供されます。
v2 API の主な呼び出しは二つで、片方は音声 ID と音声ごとの文字数上限を含む音声一覧を返し、もう片方は変換オーダーを作成します。後者が返すのは音声そのものではなく 2 時間後に削除される一時ファイルの URL なので、ダウンロードはオーダー作成と同じ処理の中に組み込みます。
提供元が挙げるシナリオは三つの用途に集中しており、それぞれ製品側の具体的な制約と結び付いています。
開発者側には四つ目の使い方があります。公開コードホスティング上に第三者の Python ラッパーが公開されており、その一つは自らを TTSMaker API と連携してテキストを音声に変換する Python ライブラリと説明しています。
向いているのは:
向いていないのは:
API を組むときに引っかかる食い違いが一つあります。同じドキュメントページが、一時 URL の有効期間は 24 時間と書きながら、下のほうではそのファイルは 2 時間後に削除されると書いています。短いほうの数字に合わせて設計するのが安全です。
課金は分単位ではなく文字数単位です。音声の長さが言語・音声・速度の設定で変わるためです。どのプランが必要かを決めるのはこの換算幅で、30 万文字は英語でおよそ 6.9 時間、スペイン語で 4.3 時間になり、中国語は言語差から 14 時間を超えることがあります。今回取得したプラン表は年額請求の状態で、月額請求のタブは描画されなかったため、下表は年額の数字のみ確認済みです。
| プラン | 年額請求 | 文字数枠 | 1 回の変換上限 |
|---|---|---|---|
| Free | 無料 | 週 20,000 文字 | 500 文字 |
| Lite | 年 $119.88、$36 お得 | 月 300,000 文字 | 10,000 文字 |
| Pro Mini | 年 $227.88、$60 お得 | 月 600,000 文字 | 20,000 文字 |
| Pro Max | 年 $299.88、$96 お得 | 月 1,200,000 文字 | 20,000 文字 |
| Studio | 年 $1296、$384 お得 | 月 6,000,000 文字 | 30,000 文字 |
プラン間の差は枠だけでなく、広告と CAPTCHA、ポーズ挿入の上限、ホスティングと BGM の枠、請求書、そして Lite の 72h から Studio の 24h へ縮まるメール応答目標にも及びます。API は Pro Mini から提供され、追加文字パックは契約者向けに別売りです。
いちばん役に立つ比較は提供元の外から出てきます。AI 音声ジェネレーターを扱った独立系の編集レビューは TTSMaker を無料枠の一押しに選び、その理由として無料音声でも商用利用が許されること、100 言語にわたる 600 を超える音声のうち 20 が無制限に無料で使えることを挙げました。同じ項目でこのレビューは、インターフェースが ElevenLabs や Speechify に比べて素朴に感じると評価しています。権利と価格で勝ち、作り込みで負ける構図です。
別のツールを選ぶべき場面は三つです。声そのものが成果物で演技として評価されるとき、音声クローンが必要なとき(今回確認したページには該当機能がありません)、そしてパイプラインが失効するリンクではなく長期に使えるホスティング素材を必要とするときです。
比較検討中なら一点だけ注意があります。第三者の AI ツールディレクトリにはこの製品の古い数値が残っており、ある項目は今も AI 音声 200 以上と書いていて、現行の公式プラン表と食い違います。
運用上いちばん重要な制約であり、三つの公式ページが三つの異なる数字を示しています。
プラン表の行はプラン別の差という読み方と整合します。無料は 30 分の履歴、有料は 24h です。ただしライセンス条項とプライバシー文書はプラン別に範囲を限定しておらず、食い違いは未解決です。いずれにせよ、変換が終わった時点ですぐ音声と字幕ファイルをダウンロードするのが安全です。
日単位ではなく分単位です。公開されている数字は食い違い、ライセンスは 30 分、Pro のプライバシーポリシーは 60 分、規約は 24 時間としています。どれも短いため、安全な習慣はすぐダウンロードすることだけです。独立レビューも同じ点を指摘し、TTSMaker はファイルを 30 分しか保存せず削除すると警告しています。
できません。API の利用には Pro または Studio の契約が必要で、キーはアカウントごとに一つ、リクエストは毎秒 1 回です。Free と Lite のアカウントには API サポートがありません。
解約はいつでも可能で、現在の請求サイクルの終わりまで利用できます。返金条件はより狭く、文字を一切使っていなければ 30 日以内、500 文字未満なら課金後 7 日以内に申請でき、部分返金はなく、同一アカウントの返金は一度だけでその後は購入がブロックされます。