HEROZは、登録してすぐ使える消費者向けAIツールではありません。日本の上場AI企業であり、このページへ導いた項目が説明しているのも特定の製品ではなく企業そのものです。まずこの区別を押さえることが、この会社を理解するうえで最も有用な出発点になります。公式サイトには登録フォームも無料プランも製品ダッシュボードもなく、上部メニューはサービス、会社情報、ニュース、IR、採用情報、お問い合わせで構成されています。
同社は自社のコア技術を、将棋AIの開発を通じて蓄積した深層学習を含む機械学習の手法として説明し、現在は将棋に限らず各産業の課題を解決するAIとして提供していると述べています。英語ページでは、このコア技術に HEROZ Kishin という名を与え、その源流を将棋、チェス、バックギャモン、囲碁のAI開発に遡らせています。この出自は宣伝上の飾りではありません。同社のエンジニアが作ったエンジンは、チェスをはるかに上回る探索空間を持つ競技でプロ棋士に勝利し、その過程で培われた機械学習の実践こそが、いま銀行や建設会社、製造業へ提供している資産です。
第三者のIT媒体の報道によれば、東京証券取引所は2018年3月15日に上場を承認し、4月20日に証券コード4382で取引が始まり、会社の設立は2009年です。上場しているという事実は、外部が知り得る情報の性質そのものを変えます。AIツールのディレクトリに並ぶ大半の項目とは異なり、この会社の売上、利益率、戦略は宣伝文で主張されるのではなく、法定のスケジュールで開示されます。
実際に何かを使いたい読者にとっての実務的な答えは HEROZ ASK です。日本のAI企業が手がける法人向けAIの基盤であり、以下の製品面の記述の主対象でもあります。
訂正すべき情報がひとつあります:多くのディレクトリに記録されている heroz.jp は、別のドメインである heroz.co.jp に転送されます。内容を持つのは後者だけであり、本稿の確認作業もすべてそのドメインを基準に行いました。
向いていない場合:登録して使える個人向けAIアシスタントを探している方、英語優先の製品と英語優先のサポートが必要なチーム、そして営業とのやり取りなしにセルフサービスで調達したい買い手です。
法人向け基盤には公開された開放APIや開発者プログラムの記載がなく、企業サイトにもセルフサービスの試用導線はありません。連携は開発者向けインターフェースとしてではなく、接続された業務システムという水準で説明されています。(要確認)
ここでの料金は、AIディレクトリの多くの項目とは異なる振る舞いをします。まったく性質の違う二つのものが売られているからです。
パッケージ基盤について、HEROZ ASK は人数課金ではなく部門単位で利用枠を共有する構造で、月額900円からの価格を掲げています。根拠は、ID単位のライセンスでは一度もログインしない社員にまで予算が浪費される、という点です。日本の企業向けソフトとしては異例に具体的で異例に低い公開開始価格であり、この製品の最も明確な商業的差別化要因です。ただし並べて置くべき但し書きがあります。業界最安値クラスという表現には注記が付いており、その根拠は同社が2024年11月時点で実施した自社調査です。第三者によるベンチマークではなく、ベンダーの自己評価だということです。
個別の産業AIについては価格が一切公開されていませんが、これはプロジェクト型の企業向けAI提供では標準的なことです。
同社の財務開示は、これがどう売上に転換しているかについて異例に具体的な像を与えてくれます。2026年4月期の連結売上高は64億2,400万円で前期比プラス8.3パーセント、営業利益は5億2,300万円で同プラス70.7パーセント、EBITDAは10億2,500万円で同プラス29.2パーセントでした。経営側は、HEROZ ASK の第4四半期売上が前四半期比で27.8パーセント増加し、4月末時点で年換算売上高が2億円を突破したと開示しています。
丁寧に読むと、この数字は見込み客にとって有用な事実を語っています。主力基盤は速く伸びているものの、売上の相当部分が別の事業から来ているグループの中では依然として小さな比率だ、ということです。それ自体に良し悪しはありませんが、非上場ベンダーなら決して開示しない種類の文脈です。
そのままの意味では違います。HEROZは会社であり、企業サイトに個人向けの登録やログインはありません。企業が実際に導入する製品は HEROZ ASK で、独立したサイトを持ち、セルフ登録ではなく相談を起点とする販売プロセスをとっています。
法人向けの生成AI基盤です。社員に主要な商用モデルへの統制されたインターフェースを提供し、検索と要約のために社内データへ接続し、企業導入に必要なセキュリティ、スライド生成、システム連携の機能をまとめて備えています。
製品資料には Claude、Gemini、ChatGPT の最新モデルに対応と明記されています。自社の基盤モデルではなく第三者モデルの上に乗る基盤層であり、個々のテナントでのモデル構成は直接確認する価値があります。
基盤の公開価格は月額900円からで、利用者ごとではなく部門で利用枠を共有する構造です。個別の産業AIプロジェクトは個別見積もりで、数字は公開されていません。同種で最安の部類という主張は、独立した比較ではなく自社調査に基づくものです。
東京証券取引所に上場しており、2026年4月期はグループ売上高64億2,400万円、営業利益5億2,300万円をいずれも前期比増で計上しました。上場しているということは、これらの数字が監査を経て定期的に開示されるという意味であり、大半のAIベンダーが提示し得る判断材料よりも実質的に強固です。
同社の機械学習の実践は、将棋をはじめとする頭脳ゲームのエンジン開発の過程で形づくられ、最終的に現役プロ棋士に勝つAIへと結実しました。エンジンそのものが製品なのではなく、そこで蓄積された方法論とエンジニアリングのチームが産業課題に適用されています。
企業サイトに英語セクションはありますが、扱っているのは製品ドキュメントではなく会社と投資家向けの情報です。この基盤は日本市場向けの製品と捉え、英語サポートが必要なら契約前に明示的に確認してください。
公開されている情報は非常に限られます。日本の主要なBtoBレビュープラットフォームに高い満足度の点数が出ていますが、根拠は1件のレビューであり使える母数ではありません。実質的な独立ユーザーの声も、技術媒体によるこの基盤の評価も存在しないため、買い手は公開された評判ではなく自社のパイロットに依拠すべきです。
作っています。日本将棋連盟が公認する将棋アプリはいまも運営中の消費者向け製品であり、ポケモン社と共同開発したボードゲームも同様です。会社の歴史的な土台でありブランド資産の一部ですが、戦略の重心はいまや法人事業に置かれています。
ウェブサイトでは答えられない三点です。データの保存と、基盤となるモデル提供元があなたの内容をどう扱うかを定める契約条項。自社テナントで実際に利用できるモデルと、提供終了時の取り扱い。そして採用しようとしている製品ラインが、同社が優先すると明言した二つの戦略軸に含まれるかどうか。いずれも調達上の問いであり、どんな機能一覧よりも重要です。
本稿は2026年8月時点で、同社の公開ページと2026年4月期の決算説明を確認して作成しました。上場企業の数値は開示のスケジュールで変わるため、本稿のいずれかの数字に依拠する前に最新の開示資料をご確認ください。