Flico.artは、ブラウザ上でそのまま動くAI制作環境です。静止した写真を短い動画に変え、その動画に流し込む画像を作る・直すところまで同じ場所で扱います。インストールするものはなく、タイムラインを開く必要もありません。
ひとつのワークスペースに四つの生成経路が並びます。画像から動画、テキストから動画、テキストから画像、画像から画像です。画像側が用意されているのは、先に開始フレームを作るか整えてから動かすためで、その代わり各段階が同じ残高から差し引かれます。三段構えの手順なら課金も三回発生します。
トップの見出しは、数秒で、無料で、登録なしに動画ができると述べています。その背後にある文書はずっと条件が多く、本稿の制限事項で両方の表現を並べて示します。
公開されている規約は、画像モデルとしてOpenAIのGPT Image 2、GPT-Image-2.5 Flare、GPT-Image-2.5 Sunburstを、動画モデルとしてByteDanceのSeedance 2.0を挙げています。Flico.artは自らを、それらのモデルの上に築かれた独立したサービスとして位置づけており、開発元の公式製品だとは名乗っていません。
AI画像動画生成のツールである以上、出発点は説明文ではなく一枚の写真です。被写体や商品、キャラクターの見た目がすでに決まっていて、そのまま完成尺に残らなければならない場面では、この違いが決定的に効きます。
サイト内には動画モデルが二つ登場し、公開されている対応範囲はそれぞれ異なります。
MiniMax H3は4〜15秒のクリップを768pまたは2Kで生成し、この統合ではネイティブ音声が常時オンに固定されています。常時オンは特典ではなく制約です。無音で自動再生されるフィードが出し先なら、誰も求めていない音声を確認して捨てる作業が増えます。
MiniMax H3が受け取るのは、書かれたプロンプトと任意の先頭フレーム画像一枚だけです。音声のアップロード、動画のアップロード、複数参照を使う流れは、その入力条件の外にあります。
もう一方のモデルは、あらかじめ用途が決まったツールの中に置かれています。ダンス動画ツールのフォームはSeedance 2.0の上で動き、4sから15sまでの長さ、480pから4Kまでの解像度、16:9・9:16・1:1を含む画面比と元画像に合わせる選択肢、そして音声のオンオフを備え、送信ボタンの横に166 credits per videoと表示します。
Flareは素早い日常的な生成に、Sunburstは編集精度と細部の作り込みに重心があり、その分だけ生成時間が長くなります。両者は同じ残高を使うため、選択は品質の判断であると同時に支出の判断になります。探索はFlareで進め、方向が決まってからの修正をSunburstに回す形が現実的です。
公開されている手順は三段階で、それぞれに結果を左右する判断が一つずつ含まれています。
見積もりはジョブ単位で計算され設定によって動くため、費用の管理は事実上この三段階目に集約されます。MiniMax H3のモデルページでは生成器が16:9、768p、5sで開き、この組み合わせに64 credits per videoを提示します。ここから二つの習慣が導かれます。一度に変えるのは一つの変数だけにすること、そして冒頭の一コマではなくクリップ全体を確認することです。
商品のクローズアップ、人物写真、イラストのキャラクター、縦型のソーシャル用短尺は、同じ処理系の別々の部分に負荷をかけます。サイトはこの四つをいずれも正面から扱っています。
自由度の高いワークスペースとは別に、あらかじめ題材が決まったツールが四つ用意されています。AI Twerk Generator、Demon Slayer OC Maker、AI Palm Reading、Murder Drones OC Makerです。この顔ぶれは、この制作環境が何に向けて売られているかを示します。ファンによるキャラクター設計、変わり種の写真変換、短い娯楽向けクリップです。
これらの題材にはそれぞれの規則が付きます。ダンス動画ツールは娯楽目的に限定され、NSFWと児童の性的コンテンツを禁じ、写真に写る人物の許可を求めます。ファン向けツールにも同種の断りがあり、Demon Slayerのツールは権利者と提携関係になく、その推奨も受けていない独立したファン向け画像ツールとして説明されています。
一枚の画像から短いクリップを得たいが、タイムラインは開きたくないという人に向いています。ただし三つの条件が同時に成り立っている場合に限られます。
向いている場合:
向いていない場合:
すべてはブラウザの中で完結します。モデルのページも、題材が決まったツールも、生成用のワークスペースも、同じサイト上のページです。
Flico.art 料金は席数ではなく使用量で決まります。生成のたびにクレジットが減り、減る量はモデルと出力設定で変わり、その数値は送信前に表示されます。クレジットは通貨ではなくサービスの単位として定義され、返金が生じる場合を除いて譲渡も現金化もできません。
価格ページには三つの購読区分があり、支払い切り替えは年額表示で開くため、以下の表の数値はいずれも年額請求を前提としたものです。
| プラン | 月換算 | 年額請求 | 月あたりクレジット | 年1回の一括付与 |
|---|---|---|---|---|
| Lite | $12.00 | $144.00 | 690 | 8,280 |
| Pro(Most popular 表示) | $14.50 | $174.00 | 1,320 | 15,840 |
| Ultra | $99.00 | $1,188.00 | 8,740 | 104,880 |
最も読み違えやすいのは月換算の列です。年額プランは一年分をまとめて請求し、一年分のクレジットを前もって付与するため、月単位の数値は比較のための換算値であって、毎月の請求でも毎月の補充でもありません。予算は年間支出として組み、付与されたクレジットはどの月に使い切ってもよい一つの貯水池として扱えば足ります。
三つの区分のどれにも無制限の生成は含まれず、違いはクレジット残高の大きさだけです。含まれる項目も三つで共通しています。画像と動画のモデル、生成前に表示されるクレジット消費、購読中の画像にウォーターマークが入らないこと、そして失効しないクレジットです。つまり区分ごとの機能差はなく、買っているのは量です。ウォーターマークに関する記述は画像だけを対象とし、購読が続いている間にのみ当てはまります。
請求と解約。 Waffoの決済画面を通した購入はWaffo Pancakeが処理し、Merchant of Recordの役割を担います。カード情報もそちら側で扱われ、本サービスには保存されません。解約は更新日より前にBilling settingsで行えば以後の更新が止まり、すでに支払った期間は引き続き利用できます。決済時により有利な条件が示されている場合はそちらが優先します。
返金。 初回購入は決済から7暦日以内であれば、その購入に含まれるクレジットまたは従量枠の使用が10%を超えていない場合に全額返金され、二重請求は確認のうえ全額返金されます。実際に効いてくるのは暦の期限より使用量の線引きなので、返金の余地を残したい試用は最も安い設定で回すべきです。
実際の案件をこのサービスに任せる前に最初に確かめるべきなのは、トップページの約束と製品文書との落差です。
トップは登録なしの無料生成を掲げます。一方でFAQとツールページは、動画生成にサインインと十分な残高という二つの前提を付けており、どちらのページも他方に言及していません。計画の基準になるのは条件が付いたほうです。
生成時間はモデル、クリップの長さ、解像度、提供側の待ち行列によって変わり、数秒で終わる保証はありません。
特定の作風が得られる保証も、モデルが途切れず使える保証もありません。固定プリセットと一枚入力という条件まで含めれば、使えるクリップ一本につき複数回の試行を見込んで予算を組むのが妥当です。
モデル一覧には画像モデルのGPT Image 2.5が一つと動画モデルのMiniMax H3が一つ載るだけで、規約が名指しした四つのモデルと噛み合いません。どちらのページが他方に取って代わるとも書かれていないため、その案件がどのモデルで動くのかについて信頼できる答えは、ワークスペース内のモデル選択だけです。
プロンプトや参照画像についてもともと持っている権利は保持されますが、アップロードする素材の許諾は自分で確保する必要があり、そこには識別可能な人物の同意も含まれます。出力側では、譲渡可能な権利は利用者に移されます。ただし同じ条項が、AIの出力は著作権保護の対象にならない場合があり、唯一でない場合があり、第三者の主張から自由である保証もないと注意しています。完成ファイルを受け取ることと、商用公開できる状態に整えることは別で、後者は素材の出所とモデルの規約、第三者の権利に左右されます。
規約とダンスツールのフォームの双方に名前が挙がる動画モデルSeedance 2.0は、2026年2月に全米映画協会と俳優組合SAG-AFTRAから、彼らが露骨な著作権侵害と表現した件で公然と非難されました。この争いの相手はモデルの開発元であって本サービスではありませんが、上の権利条項と並べて見ておく価値のある背景です。
アップロードしたファイルは、リンクを持つ人なら誰でも開けるURLに保存される可能性があり、この一点が人物写真や未公開の商品写真をここでどう扱うべきかを変えます。
アップロードした素材や生成記録の自動削除周期は公表されておらず、購読を解約してもアカウントやその中身は削除されません。自分の素材を消すのは、離脱に伴って自動的に起きることではなく、明示的に依頼する手続きです。有効化された生成リクエストは、プロンプトと参照内容、設定をAI処理を行うサービスへ送信し、それらは利用者の国外に置かれている場合があります。Cookieの選択設定はなく、設定によってGoogle Analytics、Microsoft Clarity、Plausibleの解析が読み込まれることがあります。送信した内容がモデルの学習に使われるかどうかについて、方針は何も述べていないため、どちらの方向にも結論を読み取るべきではありません。
ポルノを含むNSFW素材は明確な禁止区分で、性的サービスや性的搾取を目的とする内容も同じ並びにあります。プロンプト審査が有効な場合、プロンプトはまずWaffo Prompt Siftを通り、その安全確認で拒否された要求は生成クレジットを消費しません。
サポート、請求、プライバシー、知的財産、コンテンツ安全に関する問い合わせは、いずれもsupport@flico.artの一箇所に集まります。規約、プライバシー、連絡先の各ページには電話番号もチャット対応の約束も応答時間の目標も示されておらず、運営会社名や登記住所も記載されていません。
見て回るだけなら不要です。動画を実際に作るならサインインが要ります。サインインは明記された条件で、題材が決まったツールのページでも繰り返されています。画像側のゲスト利用は提供されることがありますが、当てにして計画するものではありません。
モデルと設定によって変わり、見積もりは送信前に表示されます。公開されている基準点は二つあり、MiniMax H3のモデルページの既定の組み合わせと、ダンスツール内のSeedance 2.0の既定の組み合わせです。
一般的なウェブ画像形式三種のいずれかで用意した写真が一枚、容量の上限は10メガバイトです。文書化された流れは一度に一枚の写真を扱い、動画の入力は公開された条件の外にあります。
二つの動画モデルは同じ短い長さの範囲を扱うので、物語ではなく一場面を前提に計画するのが適切です。音声は異なり、片方の統合は無条件に音声を生成し、ダンスツールのフォームには切り替えがあります。
自動的に可能になるわけではありません。可否は元の写真、使用したモデル自体の規約、画面に現れる第三者の権利に左右されます。
端末の外で処理され、公表された有効期限なしに保持されます。保存リンク自体もアカウントで守られていません。
消えません。解約は以後の更新を止めるだけで、支払い済みの期間はそのまま残ります。返金の申請とも、アカウント削除とも別の手続きです。